相場師朗さんの下半身と逆下半身(上昇・下降トレンドのシグナル)
株価の上昇・下降トレンドが転換するタイミングを、チャートから判断するにはどうすればよいのか。
その手掛かりとなるのが、相場師朗さんの株式トレード手法「下半身・逆下半身」だ。
下半身は上昇転換、逆下半身は下降転換を捉えるためのシグナルで、ローソク足と移動平均線の位置関係から判断する。
しかし、シグナルが出現しても、必ず予想どおりに株価が動くわけではない。
この記事では、下半身・逆下半身の定義と見分け方、ダマシが発生しやすい場面、PPPとの関係、100日移動平均線を使った「オレンジ際の戦い」について、実際のチャートを交えながら解説する。
株初心者が移動平均線を使ってトレンド転換を判断するための基礎を整理した。

・移動平均線
赤:5日線 緑:10日線 青:20日線 紫:50日線 オレンジ:100日線
下半身の定義(黄色①):
ローソク足が、横ばいから上向きに転じつつある5日移動平均線を下から上に陽線で抜けること

逆下半身の定義(緑色②):
ローソク足が、横ばいから下向きに転じつつある5日移動平均線を上から下に陰線で割り込むこと

ローソク足の実体部分が5日線をまたいで越える形以外に、窓を開けて飛び越えた場合も、シグナル点灯とみなす。
ただし、重要なのは5日線を上抜けたかどうかだけではない。
5日線をはじめとした移動平均線の向きや並びも確認する必要がある。
例えば、次のような点だ。
- 5日線は横ばいから上向きに変化しているか
- 10日線・20日線は上向きか、それとも下向きか
- 20日線は5日線より上にあるか、下にあるか
- 5日線を抜けた先に、抵抗線となる移動平均線はないか
ローソク足の形だけで判断せず、複数の移動平均線の状態を確認することが、ダマシを避けるための重要なポイントだ。
・注意する点
「下向きの5日線をローソク足が陽線で抜けても下半身ではない」
「上向きの5日線をローソク足が陰線で抜けても逆下半身ではない」
また、
「5日線を陰線で上抜けたり、陽線で下抜けても下半身・逆下半身とは呼ばない」
・下半身の例↓


下半身・逆下半身はなぜ重要なのか?
相場師朗さんの「下半身」「逆下半身」は、株価の上昇・下降への転換を捉えるためのチャートシグナルの一つだ。
株価が上昇するとき、ローソク足は移動平均線の下側から上側へ移動していくことがある。
反対に、株価が下降するときは、移動平均線の上側から下側へ移動していくことがある。
この変化を、5日移動平均線の向きとローソク足の位置関係から捉えようとするのが、下半身・逆下半身だ。
- 下半身:上昇への転換を捉える買いの候補
- 逆下半身:下降への転換を捉える売りの候補
ただし、シグナルが出たからといって、必ず上昇・下降トレンドが始まるわけではない。
重要なのは、ローソク足の形だけで判断せず、ほかの移動平均線の向きや位置関係も確認することだ。
下半身・逆下半身がダマシになる3つのパターン
下半身・逆下半身は、トレンド転換を判断する手掛かりになるが、シグナルが出ても株価が予想と反対に動くことがある。
いわゆる「ダマシ」だ。
① 20日線・50日線が逆方向を向いている
例えば、下半身が出現しても、20日線や50日線が大きく下向きになっている場合だ。
短期的には反発していても、中期的な下降トレンドが続いている可能性がある。
そのため、5日線を上抜けた後に再び売られてしまうことがある。

逆下半身の場合も同様で、20日線や50日線が強く上向きになっていると、一時的な下落で終わる可能性がある。
② 移動平均線が密集している
5日線・10日線・20日線が何度も交差しているような場面では、株価の方向性が定まっていないことが多い。
このような横ばい相場では、下半身と逆下半身が短期間に繰り返し出現することもある。

シグナルだけを頼りに売買すると、買った直後に下落し、売った直後に上昇するという失敗につながりかねない。
③ すぐ上に抵抗線、すぐ下に支持線がある
下半身が出現しても、すぐ上に20日線・50日線や過去の高値がある場合は注意が必要だ。
それらが抵抗線となり、上昇が止まる可能性がある。

逆下半身でも、すぐ下に過去の安値や長期移動平均線があれば、反発する可能性がある。
下半身・逆下半身が出現した位置だけでなく、その先に何があるかを見ることも重要だ。
下半身・逆下半身でエントリーするときの考え方
下半身・逆下半身を実際のトレードで活用する場合、シグナルが出現したことだけを理由にエントリーするのは危険だ。
エントリー前には、次のような点を確認する必要がある。
下半身で買いを検討する場合
- 5日線が横ばいから上向きに変化しているか
- ローソク足が陽線で5日線を下から上に抜けているか
- 10日線・20日線の向きはどうなっているか
- 直近高値や上側の移動平均線まで上昇余地があるか
- 想定と反対に動いた場合、どこで損切りするか
逆下半身で売りを検討する場合
- 5日線が横ばいから下向きに変化しているか
- ローソク足が陰線で5日線を上から下に抜けているか
- 10日線・20日線の向きはどうなっているか
- 直近安値や下側の移動平均線まで下落余地があるか
- 想定と反対に動いた場合、どこで撤退するか
特に大切なのは、エントリーする前に撤退(損切り)条件を決めておくことだ。
例えば、下半身が出現して買った場合でも、再び5日線を割り込んだり、直近安値を下回ったりすれば、上昇シナリオを見直す必要がある。
ただし、5日線を割っただけで必ず損切りするという意味ではない。
損切り位置は値動きの大きさや直近の高値・安値、許容できる損失額などを踏まえて決める必要がある。
下半身・逆下半身とPPPの関係
相場師朗さんのチャート分析では、移動平均線の並びも重要な判断材料になる。
その代表的なものが「PPP(パンパカパン)」だ。
PPPは、短期から長期の移動平均線が上から順番に並び、上昇トレンドを示す状態を指す。
例えば、この記事で使用している5日線・10日線・20日線・50日線の場合、
5日線 > 10日線 > 20日線 > 50日線
という並びで、各移動平均線が上向きになっている状態は、上昇トレンドが強いことを示す。

反対に、
5日線 < 10日線 < 20日線 < 50日線
という並びで、各移動平均線が下向きになっている状態は、下降トレンドが強いことを示す。
このような移動平均線の並びを、PPP・逆PPPの考え方と組み合わせて確認することが重要だ。
下半身が出現した後、短期の移動平均線が上向きになり、さらに中長期の移動平均線も上向きにそろっていけば、上昇トレンドが強まっていると考える材料になる。
ただし、下半身が出現したからといって、必ずPPPになるわけではない。
下半身はトレンド転換の兆候、PPPは移動平均線の並びからトレンドの状態を判断するものとして、区別して考えることが重要だ。
オレンジ際の戦いとは?100日線で中長期トレンドの転換を捉える

相場師朗さんのチャート分析で注目したいのが、オレンジ色の100日移動平均線をめぐる攻防「オレンジ際の戦い」だ。
上のチャートの緑色②を見ると、ローソク足が5日線を上から下に陰線で割り込む「逆下半身」が出現している。
さらに注目したいのは、ローソク足がオレンジ色の100日線も上から下に抜けている点だ。
100日線は中長期の株価動向を判断するうえで重要な移動平均線の一つ。
この100日線を明確に下抜ける動きは、短期的な下落にとどまらず、中長期の下降トレンドにつながる可能性を示す。
なぜ100日線が重要なのか?
100日線が重要な理由の一つは、週足や月足の移動平均線と密接な関係があることだ。
1週間の取引日数を5日、1カ月を4週間と仮定すると、次のようになる。
- 100営業日≒20週≒約5カ月(概算)
- 日足のオレンジ(100日線)
- 週足の青(20週線)
- 月足の赤(5カ月線)
つまり、日足の100日線は、週足の20週線や月足の5カ月線に近い期間の値動きを捉えているということだ。
ただし、実際の1カ月の取引日数は一定ではなく、日足・週足・月足では移動平均線の計算に使う終値も異なる。
そのため、100日線・20週線・5カ月線の数値や位置が完全に一致するわけではない。
オレンジ逆下半身は中長期の下落を示す可能性
100日線が横ばいから下向きに転じる局面で、ローソク足が陰線で100日線を上から下に抜けた場合、中長期の下降トレンドへの転換を考える材料になる。
これは、月足の5カ月線を下抜ける動きと似た意味を持つ場合がある。
反対に、100日線が横ばいから上向きに転じる局面で、ローソク足が陽線で100日線を下から上に抜けた場合は、中長期の上昇トレンドへの転換を考える材料になる。
ただし、日足で100日線を抜けたからといって、月足でも下半身・逆下半身が成立したとは限らない。
100日線を使った判断と、月足の5カ月線を使った判断は、似ている部分があっても別のシグナルとして区別する必要がある。
オレンジ際の戦いは月足より早く変化を捉えられる
日足の100日線を使うメリットは、月足が完成する前に株価の変化を確認できることだ。
月足のローソク足が確定するには1カ月かかるが、日足は1営業日ごとに確定する。
そのため、100日線を上抜ける、あるいは下抜ける動きを日足で確認すれば、月足の完成を待たずに中長期のトレンド変化を検討できる。
ただし、早く判断できる反面、一時的に100日線を抜けた後、再び元の位置に戻る「ダマシ」も起こり得る。
100日線を抜けたという事実だけでなく、100日線の傾きや20日線・50日線の向き、直近の高値・安値なども合わせて確認することが重要だ。
オレンジ際の戦いで覚えておきたい3つのポイント
- 100日線は、20週線・5カ月線に近い期間の値動きを捉える移動平均線
- 100日線の上抜け・下抜けは、中長期のトレンド転換を考える手掛かりになる
- 日足なら月足の完成前に変化を捉えられるが、ダマシには注意が必要
オレンジ際の戦いで重要なのは、単に100日線を抜けたかどうかではない。
100日線の向き、ローソク足の形、ほかの移動平均線との位置関係を組み合わせ、中長期のトレンドが変化する可能性を見極めることだ。
下半身・逆下半身・オレンジ際の戦いについてよくある質問
Q. 下半身が出たら必ず株価は上がる?
必ず上がるわけではない。
下半身は上昇転換を捉えるためのシグナルだが、その後の上昇を保証するものではない。
中長期の移動平均線が下向きの場合や、上値に抵抗線がある場合などは注意が必要だ。
Q. 下半身とゴールデンクロスは何が違う?
下半身は、主にローソク足と5日移動平均線の位置関係、5日線の向きに着目するものだ。
一方、ゴールデンクロスは、短期移動平均線が長期移動平均線を下から上に抜ける現象を指す。
どちらも上昇を考える手掛かりになるが、判断している対象が異なる。
Q. 下半身・逆下半身は5分足でも使える?
5分足でも、ローソク足と5本移動平均線の位置関係を確認することはできる。
ただし、5分足は日足より短期的な値動きやノイズの影響を受けやすいため、日足と同じ精度で機能するとは限らない。
実際に利用する場合は、時間軸ごとの検証が必要だ。
Q. オレンジ際の戦いとは?
相場師朗さんのチャート分析において、オレンジ色で表示した100日移動平均線をめぐる株価の攻防に注目する考え方だ。
100日線は週足の20週線や月足の5カ月線に近い期間を参照しており、中長期のトレンドを判断する手掛かりになる。
ただし、100日線を上抜けたり下抜けたりしただけで、トレンド転換が確定するわけではない。
移動平均線の傾きやローソク足の形、ほかの移動平均線との位置関係を合わせて確認する必要がある。
まとめ|下半身・逆下半身とオレンジ際の戦いでトレンド転換を見極める
今回は、相場師朗さんの下半身・逆下半身、そしてオレンジ際の戦いについて整理した。
重要なポイントは次の6つだ。
- 下半身は、横ばいから上向きに転じつつある5日線を陽線で上抜けるシグナル
- 逆下半身は、横ばいから下向きに転じつつある5日線を陰線で下抜けるシグナル
- 5日線だけでなく、10日線・20日線・50日線などの向きや並びも確認する
- 移動平均線が密集している場面や、抵抗線・支持線が近い場面ではダマシに注意する
- オレンジ際の戦いでは、100日線をめぐる攻防から中長期のトレンド変化を考える
- エントリー前に利確・損切りの目安を決め、想定と異なる動きに備える
下半身・逆下半身は短期的なトレンド転換を捉える手掛かりとなり、オレンジ際の戦いは中長期のトレンド変化を考える材料になる。
しかし、シグナルが出たから買う、100日線を割ったから売るという単純な判断では勝ち続けることは難しい。
移動平均線の向きや並び、直近の高値・安値、相場全体の流れを組み合わせて判断することが重要だ。
今後も実際のチャートを使い、これらのシグナルが機能する場面と失敗する場面を検証していく。
相場師朗さんのチャート分析をさらに学ぶなら
下半身・逆下半身、移動平均線の並び、トレンド転換の判断方法など、相場師朗さんの株式トレード手法をさらに学びたい人には、関連書籍も参考になる。
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今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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